9月2日
Small Things Like These (Claire Keegan) **
1985年クリスマスがせまるアイルランドの小さな町。未婚の母親から生まれ勤務先の家の女主人の援助を受けて育ったFurlongは、今では自分で商売を営み、ささやかではあっても自分の力で妻と5人の娘の日々を支えられる日々を感謝して暮らしている。しかし、町のカソリック修道院に炭の配達をした日、彼が見たのは、未婚で妊娠している少女達が収容され、虐待ともいえる労働の日々を過ごしている姿である。クリスマスの祝祭気分に満ちた時期に、宗教の課す正義に苦しめられている人々を見つけ、さらには少女から直接救助の懇願を受けた彼は葛藤することになる。葛藤によって見えてきた普通の人々の対応は、それは妻も含めてなのだが、Furlongを苛立たせもする。その中で、Furlonglは最後に何を選択するのだろうか。100頁ちょっとの短いお話は、まさにクリスマス・ストーリーの一篇という感じ。未婚で出産した母親、庇護を与えてくれた女主人、虐待され苦しむ少女、愛情をそそぐ娘達、今の生活を守りたい妻――彼の最後の選択は簡単ではないし、その後も―”The
worst was yet to come” (p.109) 。”small things"と見なすことで葛藤を免れ他者を見捨てることを普通の人はおうおうにして選ぶ、それは私もまたそう。だから、彼の選択は”small
things" ではなくなるのだろう。世界にそれが積み重なっていくー希望である。
‘A restrained and intensely moral book, full of hope and love.” (Observer)
これが近いかも。実は、読もうとした理由でもある数々の称賛の書評ほどには自分は入り込めなくて、最後でさえ、物語の外に気持ちが出てしまっている自分に気が付いた。でも書いてあるように希望と愛が存在するよいお話なのだとは思います。